東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 4

絵本写宝袋 9巻 7之巻 - 翻刻

絵本写宝袋 9巻 7之巻 - ページ 4

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【右丁】 【句点と思われる「・」を「。」にす。】 妬(ねた)み詭(いつは)りをまふせて先(さき)に魏(ぎ)国に帰り。丞相(せう〴〵)魏 斉(せい)といふ 者に。范雎は魏 国(こく)の密事(みつじ)を斉王に訴(うつた)ふと讒(ざん)す。魏斉 即(すなは)ち人を遣(つかは)し。范雎(はんしよ)を搦(から)め来らしむ。魏斉がいはく。正使(しやうし) をもてなさずして副使(ふくし)を款待(もてなす)は。国の密事(みつじ)を売(う)りしゆへなり。 吾(われ)今 汝(なんぢ)をもてなさんとて。草(くさ)をまじへたる豆を以て馬と共に 喰(くは)しめ。士卒(しそつ)をして打(うた)しむること百。皮(かは)裂(さけ)肉(にく)綻(ほころ)び脅(かたぼね)を折(お) り歯(は)を摺(とりひし)ぎしかば。范雎 詭(いつはり)て死(し)したる状(かたち)をなす。魏斉 悦(よろこ) び簀巻(すまき)にして厠(かはや)に棄(す)て其上にかはる〴〵溺(いばり)せしめ。後のこらし めにする。鄭安平(ていあんへい)といふもの。范(はん)が罪(つみ)なくして刑(けい)せられし 事を怜(あはれ)み厠に往(ゆき)て是をみるに。范雎 簀(す)に巻(まか)れながら未(いま)だ死 せざることを告(つ)ぐ依之(これによつて)安平 野外(やぐはい)の死(し)人を以て。范雎と入かゑ 連(つれ)帰(かへり)て吾(わか)家に匿(かく)し名(な)を張禄(てうろく)と改(あらたむ)るに是を知るものなし秦(しん) の昭王(しやうわう)賢(けん)人をもとめ給ふ。安平ひそかに。張禄を以て王 稽(けい)といふ 者に告(つ)ぐ。稽(けい)すなはち車(くるま)に隠(かく)し秦(しん)国に帰る。昭王大に悦(よろ) 【左丁】 [こ]び。張禄(てうろく)を丞相(せう〴〵)に拝(はい)し給ひしより。一年にして秦(しん)国大に治(おさま)り。 遂(つい)に六国(りつこく)を呑(のむ)の勢(いきお)ひあり。魏(ぎ)国又 須賈(しゆか)を使(つかい)として。夜明(やめい) 珠(しゆ)を献(けん)じて和(わ)を乞(こふ)。范雎(はんしよ)是(これ)を聞(きゝ)。宴席(えんせき)を設(まふけ)て列国(れつこく)の使(し) 者(しや)を款待(もてな)し其前(そのまへ)にして。士卒(しそつ)に命(めい)じて須賈を捕(とら)へ。引出(ひきいだ)し て曰。汝(なんぢ)吾(われ)を讒(ざん)しける時。馬(むま)と共に喰(くらは)しめたるごとく。汝も馬 と共に喰(くら)ふべしとて。割(きさめ)る草(くさ)に豆をまじへ馬と共に喰しめ。 扨(さて)汝(なんぢ)を殺(ころ)すべけれども。一 命(めい)を許(ゆる)す。国に帰て魏(ぎ)王に報(ほう)じ。 速(すみやか)に魏斉(ぎせい)が首(くび)を献(けん)ぜよ。然(しか)らずんば兵(へい)を発(おこ)して。汝が魏国 城を屠(ほふ)らん。須賈 羞(はぢ)を含(ふく)み。国(くに)に帰(かへつ)て魏斉に告(つ)ぐ。魏斉大 に驚(おどろ)き。終(つい)に自(みづか)ら首(くび)を刲(はね)て死(し)す。秦(しん)の昭王(せうわう)六国を併(あは)する ものは。皆(みな)范雎(はんしよ)が功(こう)なり   張良(ちやうりやう)売(うつて)_レ剣(けんを)説(とく)_二韓信(かんしんを)_一 張良(ちやうりやう)は韓信(かんしん)が陣門(ぢんもん)に行(ゆき)。同国(どうこく)の友(とも)なり。速(すみやか)に見(まみへ)んことを告(つげ)けれ ば。韓信 怪(あやし)んで月かげに見れば。其(その)人表(じんへう)常(つね)ならず。問(とふ)て曰。足下(そくか)いかな