東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 4

絵本写宝袋 9巻 7之巻 - 翻刻

絵本写宝袋 9巻 7之巻 - ページ 6

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【右丁】 【句点と思われる「・」を「。」にす。】 る人なれば某(それかし)に遇(あは)んといひ給ふぞ。張良が曰。吾(わ)が家(いへ)に伝(つたは)る宝剣(ほうけん) 三振(みふり)あり。誠(まこと)に世(よ)に希(まれ)なる宝剣(ほうけん)なり。遍(あまね)く天下の英雄(えいゆふ)を求(もと)め。 先(まづ)其(その)人を見(み)て次(つぎ)に剣(けん)を売(う)る。既(すで)に二(ふた)ふりは売(うり)たれども。今 一(ひと)ふり。其人に遇(あは)ずして残(のこ)し置(お)けり。将軍(しやうぐん)此(この)剣を得(え)給はゞ。威(ゐ)天下 を制(せい)せん。韓信 心(こゝろ)の内(うち)ひそかに喜(よろこ)び。今 先生(せんせい)剣を持来(もちきたつ)て示(しめ) さる願(ねがは)くは一 見(けん)せん。張良 剣(けん)をあたへければ。韓信 灯(ともしび)の下(もと)に て抜(ぬい)て見るに。心の内しきりに喜(よろこ)び問て曰。此剣に名(な)はなき か。張良が曰。悉(こと〳〵)く名(な)あり。一つは天子の剣。一つは宰相(さいしやう)の剣。 一つは元戎(げんじう)の剣(けん)也。二 振(ふり)は誰(たれ)人に売給ひしぞ。曰。天子の 剣は沛公にうり。宰相(さいしやう)の剣は蕭何(しやうが)にうり候。元戎(けんじう)の剣は。 足下(そくか)に売(う)らんため特(とく)に来てすゝむるなり。韓信が曰。先生(せんせい)は韓(かん) 国の張子房(てうしばう)にてはなきか。張良が曰。将軍(しやうぐん)吾(われ)を知(しり)給ふ。韓信 大に笑(わらつ)て。先生は人中の竜(りう)なり。我(われ)爰(こゝ)を去(さつ)て漢王(かんわう)に帰(き) せんとほつす。願(ねがは)くは計(はかりこと)を教(おしへ)給へ。張良が曰。将軍(しやうぐん)漢王(かんわう)に帰せん 【左丁 挿絵中の説明】 韓信(かんしん)剣(けん)を見(み)る                       張良(てうりやう)剣(けん)を売(うり)説(とく)