翻刻
【右丁】
一種 たちもの小(せう)なる物(もの)
稲田中(とうでんちう)に生(せう)し特生(とくせい)にして高(たか)さ二三寸 葉間(はのあいた)に小(ちいさ)き淡紫花(うすむらさきのはな)を開(ひら)く
一種 まつも《割書:江|戸》 形状(かたち)蓬子菜(ほうしさい)《割書:かはら|まつば》に似(に)て軟(やわらか)なり
一種 ゑびも 形状(かたち)まつもに似(に)て闊(ひろ)く毎節(ふしごとに)四五 葉(やう)対生(たいせい)す
一種 ウアトルヘンケル《割書:荷|蘭》 牛尾蘊(きうびうん)《割書:救荒|野譜》
野州(やしう)日光山(につかうさん)大日堂(だいにちだう)の池中(ちゝう)にあり形状(かたち)まつもに似(に)て秋月(あき)茎(くき)を抽(ぬきん)じ水上に出五 弁(へん)の
花(はな)を開(ひらく)白色(はくしよく)にして梅(はい)《割書:む|め》花(くわ)の如(こと)し
一種 みづんぼ 水豆児(すいづじ)《割書:救荒|本草》
下総(しもふさ)の中山辺(なかやまへん)の流水中(りうすいちう)にあり葉(は)は小茴香(せうういけう)《割書:通|名》に似(に)て短(みじか)く枝(えた)の岐(また)に小黒子(せうこくし)の如(こと)き物(もの)あり夏月(なつ)
穂(ほ)水上に出(いで)て花を開(ひら)く柳穿魚(りうせんぎよ)《割書:きんぎ|よさう》に似(に)て黄(き)なり
一種 まつもの小(せう)なる物(もの)
形状(かたち)まつもに似(に)て毛(け)の如(こと)く二三 葉(やう)対生(たいせい)する物(もの)
【左丁】
馬藻(ばさう)
やなきも
【版心の中央部】
やなきも ふさも
【十一行三字目「開」は別の字(「間」ヵ)の上から書き直しているように見える】
【十五行三字目「上」は別の字を消した上から書き直している】