翻刻
【右丁】
【隅切囲みの中】業平(なりひら)東下(あづまくだり)
むかしおとこ東(あづま)の方(かた)に
住(すむ)べき国(くに)もとめにとて
ゆきけり行々(ゆき〳〵)てするがの
国(くに)にいたりぬふじの山を
見れば五月(さつき)のつごもりに
雪(ゆき)いと白(しろ)うふれり
時(とき)しらぬ山(やま)は
富士(ふじ)のね
いつとてか
かのこ
まだらに
雪(ゆき)の降(ふる)らん
【同 挿絵中】
在原業平(ありわらのなりひら)
嚨(くちとり)
童(わらは)
【左丁 上部】
早月(さつき)の
富士(ふじ)谷々(たに〴〵)に
雪(ゆき)消残(きへのこ)る形(かたち)
鹿子(かのこ)の如(ごと)し
【同 下部】
峯(みね)は白(ごふん)鹿子(かのこ)
白(しろ)し鹿子(かのこ)
間地(ぢ)紺青(こんせう)
下(すそ)は墨(すみ)にて
星(つゝき)緑青(ろくせう)曲(くま)
【同 挿絵中】
六位(ろくゐ)
仕丁(じてふ)
足高山(あしたかやま)