東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 4

絵本写宝袋 9巻 1之巻 - 翻刻

絵本写宝袋 9巻 1之巻 - ページ 30

ページ: 30

翻刻

【枠内】薩摩守(さつまのかみ)平忠度(たいらのたゞのり) 寿永(じゆゑい)三年七月二五日/平家(へいけ)の 人々 都(みやこ)を落(おち)たまふにより忠度(ただのり) も都(みやこ)を出(いで)られしが道(みち)より 引(ひき)かへし五/條(でう)の三/位(み)俊成卿(しゆんぜいきやう)の 家(いえ)に行(ゆき)具足(ぐそく)の引合(ひきあはせ)より 巻物(まきもの)一/軸(ぢく)取出し 千載集(せんざいしう)をえらひ たまはゞ此/巻(まき)物の 内/一首(いつしゆ)なりとも 御おんかうふり たきよし歎(なげ)き 申されける 其後(そののち)世(よ)静(しづ) まり千載集(せんざいしう)を 【左帖上部】 撰(せん)ぜられける時(とき) かの巻(まき)物の内に 左(さ)りぬべき哥(うた) いくらもあり けれども 勅勘(ちよくかん)の 人なれ   ば 名字(みやうじ)を かくして たゞ一首(いつしゆ)ぞ 入られしが よみびと しらずと かゝれたり 【左帖下部】  故郷(こきやう)の花(はな)といへる  心をよめる さゞ波(なき)や志賀(しが)の  都(みやこ)はあれ   にしを    むかし     ながら       の    山桜(やまざくら)     かな