翻刻
【右丁】
斎宮女御(さいくうのにようご)之図 伊勢物語(いせものがたり)五条宮(ごでうのみや)の図
梅枝(むめがえ)に雉(きじ)を附(つけ)て送(おくる)図 同 業平東下(なりひらあづまくだり)の図
宮女花見車(きうぢよのはなみぐるま)の図 忠盛扇(たゞもりあふぎ)を落(おと)す図
酒(さけ)を煖(あたゝめ)て紅葉(こうよう)を焼(たく) 中国(なかくに)嵯峨(さが)に趣(おもむ)く図
忠度(たゞのり)歌(うた)の望(のぞみ)之図 鶯宿梅(あふしゆくばい)之図
鸚鵡小町(あふむこまち)之図 犬追物(いぬおふもの)之図
【左丁】
和歌之三神(わかのさんじん) 玉津嶋明神(たまつしまみやうじん)【見出し囲み文字】
【上段 雲中の文字】
衣通姫(そとをりひめ)は応神天皇(おうじんてんわう)の孫(まご)
允恭(いんげう)天 皇(わう)の后(きさき)の妹(いもうと)也
容姿(かたち)艶(うるわし)き色衣(いろみそ)に徹(とをり)て
晃(ひか)るゆへ時(ときの)人 衣通(そとをり)といふ
允恭帝(いんけうてい)の妃(きさき)なり
聖武天皇(しやうむてんわう)神亀(しんき)元年
勅(みことのり)して紀州(きしう)和哥浦(わかのうら)
に玉津嶋(たまつしま)大 明神(みやうしん)と
あがめまつりたまふ
御 衣續(そいろとり)唐衣(からきぬ)白地(しらぢ)
泥紋(でいもん)表着(うはぎ)茶色(ちやいろ)
五衣(いつゝぎぬ)五色(ごしき)のうんけん
単(ひとへ)赤(あか)又は白(しろ)きら銀(ぎん)
泥(でい)仕立(したて)也はだのゑり白(しろ)
二 畳重(てうがさね)へりうむけん
しとねへり紫(むらさき)うんけん
【下段】
立(たち)かへり
またも
此世(このよ)に
跡垂(あとたれ)む
名(な)も
おもしろ
き
和哥(わか)の
うら
波(なみ)