東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 4

絵本写宝袋 9巻 1之巻 - 翻刻

絵本写宝袋 9巻 1之巻 - ページ 7

ページ: 7

翻刻

【右丁】 【上段】 左(ひだり)正三位(じやうざんみ)柿本人麿(かきのもとのひとまろ)【見出し囲み文字】 太夫(まうちきみ)【注】姓(しやう)は柿本(かきのもと)名(な)は人丸(ひとまる) 孝照天皇(こうせうてんわう)の後胤(こういん)なり 古今集(こきんしう)序(じよ)におほき三(みつ)の くらゐ柿本の人丸なんうた のひじりなりけると云(い)へり 本国(ほんごく)は石見国(いわみのくに)角(つの)の里(さと)播州(ばんしう) 明石(あかし)に人丸を大 明神(みやうじん)と崇祭(あがめまつる) ■(さいしき)【綷ヵ】○帽子(ぼうし)紺青(こんぜう)○表着(うはぎ)袍(ほ)にも 非(あら)ず直衣(なをし)とも見へず名(な)を不知(しらず) 身(み)と袖(そで)一 幅(はゞ)と薄縹(うすはなだ)領(くび)かみ袖(そで)一 幅(はゞ)裙(すそ)【襽ヵ】白(しろ)し前(まへ)に紐(ひも)有 紋(もん)浮(ふ) 線綾(せんれう)銀 泥(でい)にてかく○奴袴(さしぬき)紫(むらさき) 又 藤色(ふちいろ)紋(もん)三もぢり八 総(ふさ)の藤(ふぢ) 銀 泥(でい)にて書(かく)尋常(よのつね)とは異(かわる)也 【注 「太夫(まうちきみ)⦅読みは「もうちきみ」or「もうちぎみ」⦆」は「大夫(まえつきみ)⦅前つ君の意⦆」の変化したもの。天皇の御前に伺候する高位の臣の総称。上は大臣から下は五位まで。】 【下段】 【人物等に注記された文字は画像上で翻刻】 梅(むめ)のはな  それとも     見(み)えず  久(ひさ)かたのあまぎる   雪(ゆき)のなべて    降(ふれ)れば 【左丁】 【上段】 右(みぎ)山辺赤人(やまべのあかひと)【見出し囲み文字】 山辺(やまのべ)は姓(しやう)也 所(ところ)の名(な)なり 父祖(ふそ)詳(つまひらか)ならず神亀天平(しんきてんへい)の 比(ころ)の人 聖武帝(しやうむてい)の御宇(ぎよう)に 卒(そつ)す山辺 近江(あふみ)越前(ゑちぜん)に在(あり) 古今集(こきんしう)の序(じよ)に山辺赤人(やまのへのあかひと) といふ人ありけり哥(うた)にあや しく妙(たへ)なりける人丸(ひとまる)は赤人(あかひと) がかみに立んことかたく赤人 は人丸がしもにたゝむことかた くなんありける云云 綾(いろどり)狩衣(かりぎぬ)かき色(いろ)裏(うら)白(しろ)く 腰帯(こしをび)白(しろ)し地紋(ぢもん)定(さたま)りなし 奴袴(さしぬき)白 無紋(むもん)単(ひとへ)白(しろ)又は 薄花田(うすはなだ) 袖結(そでくゝり)【絬ヵ】白(しろ)し 【下段】 春(はる)の野(の)に  すみれつみ     にと  こし   我(われ)ぞ 野(の)を  なつかしみ   一夜(ひとよ)ねに     けり