翻刻
【左丁】
夫(それ)五穀(ごこく)は天(てん)の人世(じんせい)に下(くだ)し施(ほどこ)し給(たま)へる大寶(だいほう)に
して則(すなはち)人間(にんげん)生養(せいいやう)の本(もと)也(なり)しかるに天保(てんほう)度(ど)の
飢饉(ききん)より間(ま)もなく去年(きよねん)の凶作(けうさく)にて万民(ばんみん)
困窮(こんきう)の大災(だいさい)なれば恐(おそ)れ〳〵慎(つゝし)みて尊(たつと)きも賤(いやし)き
も真実(しんじつ)に心(こゝろ)を用(もち)ひ救荒(きうこう)の工夫(くふう)肝要(かんよう)なり
古(いにし)へ聖賢(せいけん)の御代(みよ)には蓄積(ちくせき)【「たくはへつむ」左ルビ】の法(ほふ)とて三/年(ねん)耕(たかや)