翻刻
【右丁】
してかならず一/年(ねん)の食(しよく)をあまして凶年(けうねん)の
料(れう)となしぬるなり先(まつ)飢饉(ききん)の備(そな)へとては粗食(そじき)
を用(もち)ひ米穀(べいこく)を喰延(くひのば)すにしくはあらじされば
菜(な)大根(だいこん)よろづの摘菜(つみな)又は海草(かいそう)などを粥(かゆ)雑(ざう)
炊(すゐ)へ加(くは)へて穀食(こくしよく)の助(たすけ)にいたすべし嚮(さき)に平松
御うじ救荒(きうこう)の艸品(そうひん)を探(さが)しもとめねもごろに
【左丁】
調味(てうみ)を試(こゝろみ)正(たゞ)し板行(はんかう)し給ふにより今(いま)世上(せじやう)に
裨益(ひゑき)あること広大(こうだい)なりこたび御うじに
問(と)ひ計(はか)りて其(その)艸品(そうひん)のうち手(て)近(ちか)き品(しな)〳〵を
絵(ゑ)になして食用(しよくいよう)の事(こと)を人(ひと)〳〵に知(し)らしめん
とす夫子(ふうし)も百行(はくかう)の本(もと)忍(こらゆ)るを上(じやう)とすと言(いへ)り
希(こいねがはく)は粗食(そじき)の一事(いちじ)を深(ふか)く忍(こら)へ行(おこな)ひ同胞(どうほう)の