翻刻
【右丁】
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[平坂港] 大浜港駅より棚尾を経て矢矧川を渡り行くこと十余町にし
て一小市街あり、平坂港と云ふ、幡豆郡の咽喉にして東は西尾、南は
一色に通す、《振り仮名:三河鉄道の第二期線たる蒲郡線は実に此地を基程として|》
《振り仮名:海岸を走るものとす|》、戸口大浜町より稍少なきも煉瓦、土管、豆粕等
工業の規摸は頗る見るに足るものあり、近時西尾鉄道線亦此地に来り
海陸連絡の設備を為す、斯くて縦横交通機関の完成と共に該町将来の
発達亦大なるものあらん。
[島巡り] 大浜町より汽船に搭して南下衣ヶ浦を出づれば湾頭に師崎
港あり、昔時東航の船舶風波を避けて爰に仮泊する者多く浜奉行の駐
在せし所と云ふ、現今海水浴場あり夏季来り遊ぶ者尠からず。
更に港頭に立て望めば佐久島、篠島、日間賀島の諸島嶼星羅碁布して
宛然小松島の風光あり、其《振り仮名:佐久島の弁財天|》は由緒頗古く、《振り仮名:篠島には後|》
【左丁】
【上段 地図】
伊勢参宮近道
【図中の文字】
刈谷 東海道線 蒲郡
衣ヶ浦 大浜 矢作川
師崎 サクシマ シノジマ
伊勢湾 二十八浬 約四時間
山田 二見 鳥羽
参宮線 外宮 内宮
【下段 文】
《振り仮名:村上天皇東征の遺蹟あり|》、遠来の佳客
島巡りと称して此等の名勝旧蹟を探く
る者夏時殊に多し。
[伊勢参宮] 大浜港より師崎を経て伊勢
湾を横ぎり一路直ちに二見港に向ふ海(◎)
《振り仮名:上廿八浬、汽船僅に四時間にして達す|◎◎◎◎ ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎》
二見より電車にて内外両宮の参拝を終
り帰途更に鳥羽の形勝を賞するも旅程
二日にして足る、《振り仮名:其費用の低廉にして|◎◎◎◎◎◎◎◎◎》
《振り仮名:時間の経済的なる三河方面より参宮に|◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎》
《振り仮名:志すものゝ最捷径路なりとす|◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎》
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【[ ]は矩形で囲み】