翻刻
きめうてうらいそれよりはさいのかはらの【帰命頂礼それよりは賽の河原の】
ことくにて今はかふろのなかま入り【如くにて今は禿(かむろ)の仲間入り】
じやけんな女郎につかはれてからだ
中はあざとなりまた竹村の
あきぢうはこいちぢうつんではちゝこひし【空き重箱、一重積んでは父恋し】
二ぢうつんてははゝこひし又は【二重積んでは母恋し又は】
用たすそのひまにあき
ざしきへあつまりてきしやご【きしゃご=食用の小さな巻き貝、おはじきにして遊ぶ】
はしきやいしなごにすこしは
うきをわするれど
たちまち
やりてが【遣り手=遊女と客を取り持ち遊女を管理する女、遣り手婆】
みつけだし
しかり
ちら
すぞ
あはれ
なり
なむ
やぼ
だん
ぶつ
なむやぼた
「此所のかき大しやうを
しんぞうぼさつと
申奉り
かたてに
かなほうを
もちたゝせ給ふ
これはかふろの
わるひ事を
みだして
おいらんへかなぼうを
ひかんとの御せい
ぐわんなり
「又かたてには
玉子やきの
四角をふた
ちやわんに
入てもち給ふ
これ女郎の
まことといふ
みせかけなり
「又此しんそう
ぼさつもあん
まりきやくを
ふるときは
やりてが大
こくはしらへ
ゆはへつけ
しんそう
ぼさつきやく
しろこん
りうとぞ
しかりける
【台詞、右ページより】
「今用をしてくるから
おれもしんに
入てくだせへ
「おらは
きさまは
いやだいのふ
しげみ
どん
なにやら
あたりな
ものか
ほん
とうに
あ
たつ
たは