翻刻
さてかのおにのやうなぜげんに
いざなはれいろぢこくのあるじ
ないしやうのていしゆ大王のまへゝ
出れはまづじやうッぱりの
かゞみといふにうつしはなすじか
とをるかとをらぬかみのしなへが
よいかわるひかをみさだめよびだし
つけまわし中三へやもちまはり【中三、部屋持ち等は遊女の階級】
とそれ〳〵のつみをきはめる
かゞみなりぢごくのさたも
かほしだいなり又そはに
おかみさんといふがつきそひ
ゐるおにの女ほうにはきじん
といへどゑてはこのおかみさんと
いふやつていしゆ大王より
むねきなものにてつねに
わがひざもとに
ひるねかむはなと
いふ二人の
ものをつけ
おきたれ【おき、誰】
さんはこの
ころぢいろが
できたの
だれさんは
よくきやく
じんを
ふるのと二かい【二階】
中の事を
みだしかぎ
出しして
いつ付口を
これは
いつでも
こしもとの
やくなり
「此かゞみを
じやうッぱりの
かゝみとなつくる
ゆゑんはとかく
女郎はしやうッ
ぱりなこんじやうで
なけれはよき
おいらんに
なられぬゆへに
かくなつくと
なり
「もしおかみさんへうわきのさんは
此ころいせやのきやく人にほれて
すつぱたかになんなんすつたと
おはりしゆがはなしましたよと
ひるねかむはなおはむきにいろ〳〵な事をしやべる
「ていしゆ
大王女郎の
きやくに
あがるをいち〳〵
くろがねの
かんばん
いたにつける
此ほうこう
人はおや
はんを
通して
め
へり
やし
た
わつ
ちら
は
ふみ玉【?】
なざァ
つかつた事は
ござりやせん
マアむなくらの
五両も
かして
おくんな
せへしな
【左ページ挿し絵内説明】
じやうッぱりの鏡(かゞみ)【浄玻璃と強情っ張りがかかる】
昼寝(ひるね)
かむ鼻(はな)