← 前のページ
ページ 79 / 104
次のページ →
翻刻
者共なりし余が是等の事共を知る者は余が悲
痛を増さしめんが為め毒婦が口づから余に告
知らせたるに因れり毒婦余に仇する是に止ま
らす尚ほ日々に来りて衣裳を褫(うば)ひ裸躰( |はだか)となし
背に一百の鞭を啖(くら)はしめ流血常に身に徧きに
至りたる後山羊の踈服を肌上に蓋ひ其上に此
刺繍衣( |ぬいとりぎぬ)を掩ひたり其刺繍衣を掩ふ者は吾を敬
ふが為ならす唯吾を嘲侮せんとする者なりと
語り畢りて少王は悲憤の涙止敢す聲を放つて
泣伏しける帝は始め終りを熟(とく)と聴き共に感傷