翻刻
【右丁】
五郎は工藤を
ねらふよしてきの
きこへをはゞかり
箱根(はこね)に
のぼし出家(しゆけ)
すべきようはゝの
おゝせそむきかたく
別(へつ)たうの
もとに月日を
おくりけるある時
工藤 登山(とうさん)
しけるを五郎
見るよりすでに
飛びかゝらん
【左丁】
けしきに
見へければ
べつとうおとろき
さま〴〵と
せいして
のちすけつね
下山(げさん)をまちて
五郎か心(こゝろ)ねを
ふびんにおもひ
あまたの僧(そう)を
あつめ
工藤を調伏(てうぶく)の
いのりをなし給へは
其きとくありける也