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抑当年に案じ出(だ)し奉るやぼ天竺十五丁者の赤本尊三冊編 出(だ)し如来
と申奉るはあたじけなくも手習ざうしのむだがき人形夜中ねむたいの帝
筆まめてんがうの御宇赤本年中いなつまひやうしのころむかし〳〵あつ
た土佐の国ぢゝいは山へくさかり郡ばゝあは川へせんたく村において坂田の
金平化物たいぢの折から薄雪姫のぼだいのため見越入道鯛のみ僧
都といふ二人の智識あまねく四方のあかを勧化し大木のきり口ふとい
の根つこをとりほうかしの小刀をもつて彫刻し奉る所の尊像也然るに
鉢かつぎ姫はちのうちの宝を寄附し桃太郎鬼が島の宝を寄
進し奉りてより兎は木をはこひ狸は土をはこひて終にかち〳〵
山に一宇を建立し奉る其後猿蟹合戦のきざみ兵火のために
もつたいなくも伽藍を焼失ひしがふしきなる哉尊像御せなかに柴
の火をせをひながら飛去たまひて龍宮の乙姫が身じまひ部やにか
くれ玉ふこれによりて花咲ぢゝい此事を深く悲しみ舌切雀お宿は
どこじやといひつゝ尊像のありかを尋あるきけれ共しれす赤本
尊の御徳大に世にかくれたる所にあまた星霜を経て後金々
先生栄花の夢の告により高慢斎あんぎや日記してはからす
尊像をさづかりふたゝび草さうしの御利益世にあらはす誠に
年々あらたなる所の本尊也。かやうなこじつけ尊像は又と
買帳はかなひませんぞ近ふよつて御覧をとげられましやう
一たび拝する子供衆はあくびさへねへをまぬかれ給ふ板木
よみよいは是より出(て)ます板もとはつるや喜ゑもんのおてうづ〳〵
大違 ̄ヒ宝船 三《割書: |つる喜》 《割書:全交作|重政画》
たん海公公家をきらひ東に下りすみた川にて長うたをうたひ居給ひ藤田たんか
うと名のるをはしめとし洲崎の弁天を信かうしてきんぎやうふはいの玉
とてひいとろの中へ金魚入たるをさづかりしかせんだいかしにてわにゝとられる
事俵藤太秀さと北面の士□□□【なるを】やめてたんかうか三味せん□【引】となり秀や里
次郎【原文「十郎」】といふいろ男にて女にむせうにほれられ龍宮乙姫が里十郎にほれて通ふ
事八百やお七三庄太夫がつへにて目をつき眼病となりあいごの若の事
白の猿をたのみ龍宮へ行てあかえいのきもを取てくれよとたのむ事
俵藤太文箱とまちがへ玉手箱をあけて忽年より□なる事たんかう大橋