翻刻
過て改るにはゝかる事なかれ左に記す大災の
書も後悔にして其子細愚なり半はまて
綴りて是を見るに書写したる己にさへ可
笑み拙き事こそ多かりけれ尚閑をね
らひて書損を改め清書する事を欲すれ
とも病苦に逼れは其足事全からすや
紙数の散失なはん事歎か儘に先是を
仮にとしてそ置ものや若行届かすして
清書を遂す此儘子孫に送らはその拙事を
必誹謗ある事なかれまた己か無学病
根の罪過を懴悔消滅のため爰に書加へ
たれは子孫に至り後悔の二字を深慎み
取返しかたき事を可怖実に前車の
見覆後車の為誡事を伝ふる而已
粟生庵主
善左衛門
幸一 【花押】