翻刻
すのころ暖気にして地震ふ事其例少
からす茲皆陰陽不順なる自然と不正の
病苦も流行し草木にあたるとかや水
火の勢大空にすれあひて雷となり百里
に響といへとも障なきをもつて不動地中
は是障多かゆゑに大地を動すといへり
茲皆陰陽五行五性の変化より発行
する処なりとかや
今爰に弘化四年丁未歳次清明の下旬
二十四日の夜亥の初尅天災不思議なる
大地震を発し信濃の一国を大に
破損す就中水内高井埴科更科
筑摩の五郡地水火の三災をもつて
人民牛馬およひ山野田畑を損事前
代未聞にして言語に絶たり此変化
たる事を奈何其予愚毫を止めて子