翻刻
櫛比迄は拾五里あり其外此寺は惣持寺ゟさきとし
て寺務此寺にありし霊地也委は此寺の秘書洞
谷記にあり
我等洞谷へ登りし時寺中に知れる僧有
て暫し我等を見送り給ふ折から女郎
花の咲けるを手折とてつまつきた
まへるに不斗我おりにきと人にかた事な
女郎花といふ偏照の古哥を思食て
躓(ツマツキ)し僧の心や女郎花
又中川村近し太郎右衛門とて利家公ゟ御扶持頂戴の
山廻り役あり
又菅原村に天満宮の大社有護国山菅原寺といふ社
領九拾俵也別当成喜坊偏照坊とてあり社領の内
拾五俵宛配分有 氏神主あり内拾俵配分有残り
五拾俵は御修覆料に除知有昔は勅願所にて大社
なりしに度々の兵乱に縁起等も退転ありしと
いへり中比利家公御合戦の御勝利を此社へ祈し給ふ
に霊験あらたなりし由御社頭御建立あり御社領等