翻刻
とゑいし給へはまたないしも
春かすみたちはなれなは雲にいり
月に出るとめくりあふへき
かやうにうち詠なひしなく〳〵くるまに
のり出給ふめのとのもとにゆきつきて
そのまゝうちふしなくより外のことそ
なきさるほとにその年の暮にめの
としよりやう【所領】たまわりてないしの枕に
たちより申やうふんこ【豊後】こそよろこひ
にあひ候へさつまの国をたまはりてこそ
候へたゝならはかくはかりよろこふへきに
候はねともゆへなくなかされ給ひしひ
やうゑの介とのおはしますかたにて候
とても御宮つかひもすさましくを
ほしめし候はゝ思ふにはとら【虎】ふすのへに
くしら【鯨】のよる島と申ためし候なり
出させたまへさつまの国えく【具】しまいら
せんと申せはないしよろこひて父はゝ
にかくれめのと斗【計-ばかり】をたのみやよひ廿日
比に都を出いつしかならぬふねの内のすま