翻刻
これにかくて候はゝいか成事も候はぬさ
きに大りを罷出んと思ひ候なりうれ
しくもきかせ給ひ候物かな此世におゐ
ていかてかわすれまいらせんやかてまかり
出候はんとのたまへはひやうぶ御名残をし
みなき給ふなひしめのとのもとへ文を
つかひ給ひてちとかせの心地有しは
らくいたはらんとおもふ成のり物いそき〳〵
とかゝれたりあはてゝくるまをまいらせ
けれはなひしさすかになこりをしくて
我十三よりまいりてことし七ねんに成
そかし何と仕ける御宮つかひのはて
そやとかなしみてしはらく出もやら
すみくるしき物ともとりひそめいて出
けるころはやよひ十日あまり事なれは
おほろ月花のこすえにまかひてことに
あはれに見えしかはひやうぶのつほね
かくなん
我あらはなをたちかへれ春かすみ
うらみにおもふ雲ゐ成とも