翻刻
せまいらせておいするほとに浅まし
くて宮の入せ給はゝいかゝ申へきそと
申けれと返事もせす行ゑもしらす
出させ給ひて候あさましき事にてさ
ふらふと申給へと有けれはときわ
まいり此よし申けれはさやうの事
はよもあらしはりまの三位かしわさ成
あはれ兵衛の介なかされし時取いたして
いつかたにもおかんと思ひし物を心を
くれしてうきめをみるかなしさよいかな
らん有さまにてうしなひつらむいまた命
もあるらんはかなくもなし参らせつらんと
ちゝに御心をくたかせ給ひて爰かしこを
御覧しけれ共物のくそくなんともした
ためすたゝかりそめに出たる様なりと
ひめきみおはしましたる所をなつかし
くおほしめしてはらく御さまりけ
れとも人なけれは御心にもそます
なくさみもをはしまさすこ覧しまは
し給ひけれはきちやうのひほにむ