翻刻
三州吉田記目次
解説
序
総説之部・・・・・・・・・・・・一
吉田城主記・・・・・・・・・・十三
寺院之部・・・・・・・・・・・二七
社頭之部・・・・・・・・・・・三六
吉田町之部・・・・・・・・・・四二
追考・・・・・・・・・・・・・五〇
林家系譜・・・・・・・・・・・五二
解 説 近 藤 恒 次
(一)
□【三】州吉田記は寛延三年九月、吉田の一市人林自見正森の著したものである。本書を著すに至つた動機
は、その自序に示すが如く、当時世に流布して居たものに吉田城主記なる書があつた。併し此書には
□【少?】なからぬ誤があつたのでその誤を正すべく独力研究の結果、こゝに三州吉田記を編むに至つたもの
□云ふ。
本書には刊本はない。元来写本で流布し、その今に伝はるものも多くは転写を重ねたもので、従つて
其間の誤写脱字は免れ得ない。故に此度校者の知れる諸氏の蔵本を借集め、彼此参照校訂して出来得
る限りの正確を期し、少部数を世に送る事としたのである。左に諸本の伝来に就いて述べる。
○ 鈴木偉重氏蔵本。
書写系統は全く不明であるが、本文中の書入は宝暦迄で原本の成つた寛延三年と程遠からぬ
頃の写本と思はれる。行文正確な点でも他書に勝れてゐる。校訂に際しては本書を底本とした。
○ 舟橋水哉氏蔵本。
本書は吉田記とのみ題してゐる。瓦町の庄屋仁吉蔵写本を吉田藩士で且米価記の著者柴田猪
助氏が筆写し、更に之を弘化四年四月山本直清氏が転写し多少行文に変更を加へたものであ
る。