翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

絵本物見岡 - 翻刻

絵本物見岡 - ページ 18

ページ: 18

翻刻

顔見世(かほみせ)の  ありさま まことに 待(また)るゝ花(はな)の ことし 明(あけ)の春(はる)とて 桟敷(さんしき)の雑煮(ぞうに)は 周(しう)の代(よ)の元朝(くわんてう) 積(つみ)ものゝ 井籠(せいらう)は 孝霊(かうれい)五年の 冨士(ふじ)なるへし くだり役者(やくしや)の 盃(さかつき)は手の うちのさんご珊瑚(さんご) の珠(たま)を愛し 狂言(きやうげん)の評(ひよう)は 一日に千里を はしる 今生(こんぜう)にて 歌舞伎(かぶき)を見ぬ ものは来世(らいせ)も 野暮(やぼ)の果(くわ)は  のがるへからす