翻刻
この廓(さと)の賑(にきわい)
燈籠(とうろう)は
玉菊(たまきく)より
はしまり八朔の
白無垢(しろむく)は
高橋(たかはし)より
とやら
此朔日
より
稲荷(いなり)の
祭礼(さいれい)とてねりものを
いだす日〳〵の物好寄(ものすき)に
黄金(こかね)を瓦(かはら)のことくにし
長袖能舞禿(てうしうよくまふかむろ)の
おとりやたい妓婦(きふ)
のうたふ獅子(しゝ)の
きやり万客(まんきやく)これが
ために魂(たましい)を
飛(とば)して
山谷船(さんやふね)もど
かしく
四手駕籠(よつでかご)に
羽なきを
うらむ