翻刻
【右頁】
又なく〳〵大みやへわたり給てひめ
君のおはせしところにうちふし給
てなにとなく御あたりをみ給へは
まくらのしやうしのやふれにかみを
さしはさみたりとりて見給へは御て
ならひのほうくなりさま〳〵のこと
かき給へる中にことにあはれなるは
あひみすは人に
うらみはよもあらし
なか〳〵いまは
くやしかりけり
まことになつかしくうちむかひたる
心ちして御かほにをしあてゝなき
【左頁】
ふし給へりその夜は大みやにふし
給ひて夜あけぬれともおきも
あかり給はすふししつみてそおはし
ける御ともに候はりまのかみをめし
おほせられけるは此人のゆくゑ
をきかすは世になからへてあるへし
ともおほえすいかゝしてせめてゆめ
にもみるへきとの給へははりまのかみ
こひしき人をゆめにも見たく候
にはその人ときたるきぬをかへし
てぬれはかならすゆめにみるとうけ
たまはり候と申しけれは中将うれしく
おほしてみなみのたいへおはして