翻刻
【右頁】
かゝるへしとしらましかはよく〳〵
みるへかりける物をとてちたひくや
しき御ことのみおほかりけりきのふ
まてはみやこのたよりもきゝし
うちのそら物おもはぬたひならは
いかはかりおもしろくこそ侍らめみや
こに心ありし人々にみせたてま
つりてといひて御なみたのひま
よりかくなん
ものうさをなけく
なみたのつゆけさに
またうちそふる
わかのうらなみ
【左頁】
いつしかふねのうちのさひしさつれ〳〵
かきりなしありしことのみかたりいた
してすけもろともにたもとは
なみたにしほれけりさてかいまん〳〵
となかめやるかきりあらんいのち
のいまいくるかはゆきめくりてさの
み物をおもはんとかなしけれはそこ
のみくつともなりはてんと思ふに
たゝわかれし人々のこひしさかきり
なけれは又たちかへりかひなきい
のちもおしかりけりしのふにたへぬ
おもひのいろは御ともなるおのことも
いみしくいたはしくあはれにおもひたて