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進ありしは哥道の名誉ゆへにして◦(偏に)当御神の感応
也とそ申伝へし又伊(〽[朱] )勢大輔と云へる官女は一生の
内に秀哥よませてたへと賀茂へいのりをかけ橋本の【のは朱書】
社のもとなかるゝ水を硯水にして千首をよみて
奉りけれは千首大輔と呼れ世の人の口にある秀哥
よみけるとなり又云(〽[朱] )平清盛公いまた浅官なりし
時夢の告に賀茂御神より宝の山を賜ふとて
金の宝山門に入かたく大 ̄キやかなる其上に藤花咲
かゝりたる装束したる神官二人出来り是は賀茂
大明神より下さるゝ也といへるに今一人の云是は春日
大明神の使にてしはらく清盛にあつけらるゝとありて
夢は覚けり驚つゝしみていかなる冥助をかうつゝに
得せしめ給ふへきとたのもしく弥信仰あさからさりし
に後に白川の准后と聞えしは清盛の妹女にて
其時゛(比[朱])の近衛【近衛の左に朱の「・・」有】殿下の北方に物せられしか其御領
こと〳〵くかの後室一期知行せらるへきよし仰られ
けるに過分の事なり辞退申へきにこそと思はれ
けれともかの夢の御告にまかせて御請申され年久
しく主のはからひなりしより◦(いつしか)身の威勢龍に雲
のしたかふことく天か下のはからひをも心にまかされ