賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社記録

賀茂社記録. 第1冊 - 翻刻

賀茂社記録. 第1冊 - ページ 57

ページ: 57

翻刻

さし勇 猛(メウ)にして止観の窓 ̄ノ雪に眼をさらし 三諦の床 ̄ノ月に心あきらかなりといへとも冨報すく なくて済 度(〃 )の道乏しかりけれはいてや毘沙門 天に祈んとて鞍馬寺に参籠し又清水の観世 音に通夜して普門融 通(〃 )の福力を与へ給へと 祈念ありしに観音も多門天も福報を授なん 事は賀茂大明神の御はからひなれは我らかまゝ ならすたゝ賀茂へまいり申へしと両寺の本尊 の告させ給ふにまかせ賀茂御社に参り七夜 通夜して祈《割書:リ[朱] |》歎きけれは七日満しける暁宿房 ̄ニ に下向して暫まとろみける夢中に汝もとより 福報なき身なれともあまりに祈歎き申も不便 なれは大明神より給はる也とて装束したる神人 長櫃二合舁持きたりてあなかしこ此長櫃底まて 取払事なかれさもし侍らすは一期か内尽る事あらし と告てさりぬ夢さめて見るに枕にありけり一 櫃にはしらけのよね入たり又一櫃には絹綿の類入 みてたり難有拝しいたゝきて是を自他の施 用なとに取つかふに尽さりけりと《割書:云| 々》 後鳥(〽[朱] )羽院文治三年十一月十四日賀茂行幸あり其