東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 3

新板絵入伊勢物語 : かうしやく付 2巻 上 - 翻刻

新板絵入伊勢物語 : かうしやく付 2巻 上 - ページ 4

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【右丁】 《振り仮名:あくた川|(禁中のあくた川》といふかはを《振り仮名:ゐていきけ|(将と書ひきあてつれて行也》れば。草のうへにをきたりけるつゆを。かれ は何ぞとなん男にとひける。行さき《振り仮名:おほく。|(とをく》夜もふけにければ。《振り仮名:鬼有所|をつてのかゝるをか》 《振り仮名:とも|示してなり》しらで。《振り仮名:神さへ|(かみなり也》いと《振り仮名:いみじ|(こと〳〵しく也》うなり。あめも《振り仮名:いたうふ|(はなはたしく也》りければ。 《振り仮名:あばら|(人なき家也》なる 《振り仮名:くら|(座の字也》に。女をばおくにをし入て。《振り仮名:男弓やなぐ|(なりひらの用心也》ゐをおひて。とぐちにをり。はや 夜もあけなんと思ひ《振り仮名:つゝゐたり|(あかしかねたる也》けるに。《振り仮名:鬼はや一くち|(をつかけて女を取かへすをいへり》にくひてげり。あなや((女のさけひた) といひ(るをと也)けれど。神なるさはぎにえきかざりけり。やう〳〵夜もあけ行に見 れば。《振り仮名:ゐてこし女|(つれてきたる女也》もなし。あしずり((踏跎と書)をして なけども((かなしめとも)かひなし 《割書:新古今》しら玉かなにぞと人のとひし時露とこたへてきえなましものを これは((作者の詞也)二条の后の。いとこ((染殿后也)の女御の御もとに。つかうまつるやうにて。ゐ給へり けるを。かたちのいと《振り仮名:めでたくおはし|(うるはしくほめたる詞也》ければ。ぬすみておひて出たりけるを。御 せうと。(あに也)《振り仮名:ほり川のお|(昭宣公二条后の兄也》とヾ。《振り仮名:太郎くにつね|(昭宣公の兄也》の大なごん。まだ《振り仮名:げらう|(殿上人の時也》にて。内へ((参内也) まいり給ふに。いみじうなく人有を聞付て。とゝめて取かへし給ふてげり。それをかく 鬼とはいふなりけり。まだいとわかうて。后の(二条后)《振り仮名:たヾにおはしける|(いまだ御入内もなくて也》時となり 【左丁】 (七) むかし。おとこ有けり。京に有わびて。あづまにいきけるに。いせを はりのあはひのうみづらを行に。なみのいとしろくたつを見て 《割書:後撰》いとゞしく過行かたの恋しきにうらやましくもかへるなみかな と。なんよめりける (八) むかし。男有けり。京や。すみうかりけん。あづまのかたに行て。 すみ所もとむとて。友とする人。ひとりふたりして行けり。しな のゝくに。あさまのだけに。けふりのたつを見て 《割書:新古今》しなのなるあさまのだけに立けふり をち((遠近)こち人の見《振り仮名:やはとが|(やすめ字也》めぬ (九) 昔。おとこ有けり。其男。《振り仮名:身をえう|(述懐の心有て也》なきものに思ひなして。京には あらじ。あづまのかたに。すむべき国もとめにとて行けり。もとより友と する人。ひとりふたりしていきけり。道しれる人もなくて。まどひいきけり。 みかはの国。八はしといふ所にいたりぬ。そこを八はしといひけるは。水行川 のくもでなれば。橋を八わたせるによりてなん。八橋といひける。其さはのほ