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此僧都一/乗(じやう)院/庭前(のていせん)に一株(いつちう)の橘(たちはな)の樹(き)あり久しくして枯木(かれき)
と成にけり大仏(だいぶつ)㖽(ばい)【唄?】呪(じゆ)一/返(へん)を誦して加持の間すなはち
花葉(けやう)を出しけり又船に乗(のり)て上/洛(らく)しける時/天童(てんどう)十
人出現して舟をになひて岸(きし)にちやくしけり僧都は是
十羅刹(しうらせつ)の我を救(すくひ)給ひぞと申ける又/不動(ふどう)明王も現_レ形(かたちを)
して捬護(ふご)したまひけるとなん永観(えうくわん)元年三月廿三日
入/滅(めつ)右の手に五鈷をもち左の手に一乗経をもつ初は
密印(みつゐん)を結(むす)びのちには法花経を誦(じゆ)す薬王品(やくわうぼん)に
いたつて於此(オシ)命終即往安楽世界(メウジフソクワウアンラクセカイ)《割書:乃(ナイ)|至(シ)》恒河沙等諸(ゴウガシヤトウシヨ)
仏如来の文を両三返/誦(じゆ)して弟子に告(つげ)て云/我白骨(わがはくこつ)
【柱】古今巻二 〇十八