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翻刻
【柱】古今巻十八 〇十
【634】滋井(しげのい)の入道宰相中将にて侍ける時/梶井宮(かちゐのみや)にまいり
けるに盃酌有けり終座(しうざ)に成て宰相中将今は柚(ゆ)
まいらばやと侍ければすなわち参らせたりけり或
上達部《割書:経家|卿と云々》柚(ゆ)八/柑(かうじ)七とこと葉をつかひて八にきりた
りけるを宰相中将見てあしく切つる物かなと思ひて
ともかくもいふことなかりけり宮も御らんじて
何とも仰られざりけりとばかり有て行/算(さん)まい
れやと仰られければ等身衣にかりはかま着(き)たるさ
ふらひ法師のみめよくつき〴〵しげなるまいりたり
其柚きりてまいらせよと仰られければこしより