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翻刻
【柱】古今巻二十 〇九
むらごの糸にてかけたる虫の籠(かこ)を下されたりければ
貫首以下みな左右/馬寮(むまりやう)の御馬にのりてむかひける
蔵人弁時範馬のうへにて題を奉りけり野経(やけいに)尋_レ ̄ヌル虫 ̄ヲ
とぞ侍ける野中にいたりて僮僕(どうぼく)をちらして虫をば
とらせけり十余町計はをの〳〵馬よりをり歩行
せられけりゆうべにをよんでむしをとりて籠(かこ)に入て
内裏へかへりまいり萩女房花などをぞ籠(かこ)にはかざり
たりけり中宮の御方へまいらせてのち殿上にて盃(はい)
酌(しやく)朗詠など有けり歌は宮の御方にては講ぜられ
ける簾中(れんちう)よりもいだされたりけるやさしかり