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翻刻
いつ比の事にか書写(しよしやの)上人みづから如法如摂(によほうによせつ)に法花経
かき給けるに焔(ゑん)【㷔】魔宮(まぐう)より官(くはん)をもて申おくりけるは
自業自得果(じごうじとくくは)の衆生の業(ごう)をむくはんがためにみな
我所にきたるそのむくひいまだつくさざるに上人の
写(しや)経のあいだ罪報(ざいほう)の衆生みな人中天上にむまれ
或は浄刹(しやうせつ)にまうずる間/罪悪(ざいあく)の地/悉(こと〳〵)く荒廃(くはうはい)せり
ねがはくは上人経を書給ふ事なかれとうたへ申たりければ
上人の給けるは此事わが進退(しんたい)にあらずはやく釈迦(しやか)如来
に申さるべしとぞこたへ給ひける
古今著聞集巻之二終
【柱】古今巻二 〇四十四終