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匡房(まさふさ)中納言は太宰(だざい)権帥(こんのそつ)になりて任(にん)におもむかれ
たりけるに道理にてとりたる物をは舟(ふね)一/艘(そう)に
つみ非(ひ)道にて取たる物をは又一/艘(そう)につみてのぼられける
に道理の舟は入海してけり非道の舟はたいらかにつき
ければ江帥(ごうそつ)【匡房】いはれけるは世ははやくすゑになりにけり
人いたく正/直(じき)なるまじき也とぞ侍けるそれを悟(さと)らんが
ためにかくつみてのぼられけるにやむかし中比だにかやう
に侍けり末代よく〳〵用心あるべきこと也
寛治八年十月廿四日/亥(いの)時計に内裏/焼亡(せうもう)有けり中ノ御(み)
門(かと)右府右中弁にて侍けるが宿侍(とのい)せられたりけり
【柱】古今巻三 〇四