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詩歌有けるに式部大輔/永範(なかのり)卿月の影に立出て抄物
を見て楼台(ろうだい)に月/映(エイシテ)素輝(ソキ)冷(スサマシ)七十秋/闌紅涙余(タケテコサルイヲホシ)といふ秀
句を作たりけるむかしはふところに抄物など持るしから
ぬ事也けり近代は不覚の事に思てもたぬ事に成はて
にけり不(アラス)_二是花中偏 ̄ニ愛(アイスルニ)_一レ菊 ̄ヲ此花開 ̄テ後更無_レ花これは元(げん)
稹(しん)が秀句也/隠君子(いんくんし)琴を弾し給ける空よりかげの
やうなるものきたりていひけるは我此句をあは【いヵ】す宿執
あるによりてその感にたへすたゞし後の字をあらため
て尽(ツキテ)とあるべしと云てうせにけり
いづれの年に天下に疫病はやりたりけるに或人の
【柱】古今巻四 〇四