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乗て馳(はせ)よと仰られければ馳参て見るに小大進は
雨しつくと泣て候けり御前に紅の薄様にかきたる
歌をみてこれを取て参るほとにいまだ参もつかぬ
に鳥羽殿の南殿の前にかのうせたる御衣をかつきて
さきをば法師跡をは敷島とて待賢(たいけん)門院のさうし
なりけるものかづきて師子(しゝ)をまいて参りたりける
こそ天神のあらたに歌にめてさせ給たりけると
目出度たうとく侍れ則小大進をはめしけれ共かかる
もんかうをおふも心わろきものにおほしめすやうのあれ
ばこそとやかて仁和寺なる所にこもりゐてけり力(ちから)を
【柱】古今巻五 〇二十六