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翻刻
皇后宮少進藤原為忠
あかねさすひのくま河の夕陰に
瀬々ふくかせは秋そきにける
【179】昔夫婦あひ思ひて住けり男いくさにしたがひ
てとをく行に其妻おさなき子をぐして武昌(ぶしやう)の
北の山まておくる男の行を見てかなしみたてり
男かへらず成ぬ女其子を負(をふ)てたちながら死ぬる
に化(くは)して石となれり其かたち人の子を負てたゝ
るかことし是によりて此山を望夫山(ぼうふさん)と名付其石
を望夫/石(せき)といへりくはしくは幽明禄に見へたり
【柱】古今巻五 〇三十一