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翻刻
【柱】古今巻五 〇三十六
秋ふかき雲井の鳫のこゑすなり
衣うつへきときや来ぬらん
紀(きの)時文件ノ色紙形をかく時筆をおさへていはく衣うつ
を見てうつべき時やきぬらんと詠するいかゞ兼盛(かねもり)に
やがてたづねらるゝ所に申ていはく貫之(つらゆき)が延喜御時
同屏風に駒/迎(むかへ)の所に
逢坂の関のし水にかけ見へて
いまやひくらん望(もち)月の駒(こま)
と詠す此難ありやいかゞ時文(ときふん)口をとづしかも時文は
貫之が子にてかくなんそしりける弥々あさかりけり