← 前のページ
ページ 391 / 1317
次のページ →
翻刻
【柱】古今巻六 〇五
御衵子を給はせけれは左大臣《割書:清慎公》かしこまり悦ひ
給ひてたちてまひたまひけり拝舞はなかりけり
ゆへありけるにや
【243】
いづれの比の事にか大宮右大臣殿上人の時南殿の
桜さかりなる比うへふしよりいまだ装束もあらため
ずして御階(みはし)のもとにて独花をながめられけり霞
わたれる大内山の春のあけぼのゝよにしらず心すみ
ければ高欄(かうらん)によりかゝりて扇を拍子に打て桜人
の曲数反うたはれけるに多(おほひ)政方が陣(ぢんの)直(とのひ)つとめて候
けるが歌の声を聞て花の本にすゝみ出て地久