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【256】堀河院御時六条院に朝覲行幸有けるに池(いけ)の中島に
楽屋を構(かまへ)られたりけるに御所水をへだてゝはるかに
遠かりけり博定(ひろさだ)勅をうけ給て太/鼓(こ)をつかうまつりけ
るが壺(つぼ)よりもすゝめて撥(ばち)をあてけり後日に博定
元正(もとまさ)にあひて昨日の大皷はいかゞ有しといひければ元正
目出たくうけ給き但少壺よりすゝみてそ聞へしと
いひければ又問けるはつぼはうち入たるたひやまじり
たりし始めおはり同し程にすゝみて侍しかといふ
元正始終すゝみて終りにきと答へければ博定扨は
意趣に相叶ふたり其故は楽こそ引はなれぬ事
【柱】古今巻六 〇十六