← 前のページ
ページ 442 / 1317
次のページ →
翻刻
弄梅花といふ撥合(はちあひ)など引てきかせければたな心合
て面白がりけりかくする程に夜すでに明て壁(かへ)の
くづれより日/影(かげ)のさし入たる穴より犬の鼻をふき
て内をかぎけるを此病者見て扇をすへ顔色(がんしよく)かはり恐
おのゝぎたる気しき也こゝにかの福天神の所為と悟(さとり)
て犬を追のけつ其後気しきなをりてげり今は心ゆき
ぬらん罷帰らん見参に入候ぬるうれしく候御社へも参
てものゝねあまたそろへて楽(がく)してきかせまいらすべしと
いへは昔つねに承る事にて其御名残なつかしくて
おそれながら申て候つる也とぞの給ひける扨馬助帰
【柱】古今巻六 〇二十七