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翻刻
の寺僧等さしもやんごとなき人の筆跡をばいかゞ
たやすくとめ給はんとかたふきあひければいか成/聖跡(せいせき)
重宝(てうほう)成共あとかたなく消(きへ)うせんには何の益(ゑき)かあら
ん別してわたくしの点をもくはへばこそ憚(はゞかり)もあらめ
かたばかりも其跡のみゆる時もとの文字の上をとめ
てあざやかになさんは何の難(なん)かあらんふるき仏にもは
くをばおすぞかし抔(など)いへば誠にさも有とてゆるしてけり
其時額をはなちてあらたに地(ぢ)彩色(さいしき)して文字の上
とめてげりかゝる程に次の日俄に雷電(らいでん)おびたゝしく
して額を雨そゝぎみな墨を洗(あら)ひて只もとのやう
【柱】古今巻七 〇五