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へたつる心なくてたがひになさけふかきを本とすべ
きにこそとむかしより申伝へたるもことはりに
おほえ侍り
【332】いつの比のことにか男ありけり内の女房をしのび
て物いひわたりけるがある夜局のあたりにたゝ
ずみてこゝにありとしられんとてあふぎのかなめを
ならしてつかひければ女房きゝておもふよし便宜(びんき)あ
しき事やありけん何となきやうにてつぼねの
内にて野もせにすたくむしのねよとうちなか
めたりければおとこ聞てあふぎをつかひやみて
【柱】古今巻八 〇三十終