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翻刻
【柱】古今巻十 〇十七
きて行女有けり氏長きと見るに心うごきてたゞに
打過べき心地せざりければ馬よりおりて女の桶(をけ)とら
へたるかひなのもとへ手をさしやりたりけるに女うち
笑(わらい)てすこしももてはなれたるけしきもなかりけ
れはいとゞわりなく覚へてかひなをひしとにぎりた
りける時桶をばはづして氏長が手を脇(わき)にはさみ
てげり氏長興ありて思ふ程にやゝ久敷なれどもい
かにも此手をはなたざりけり引ぬかんとすれば
いとゞつよくはさみて少も引はなつべくもなけれ
ば力及はずしておめ〳〵と女の行にしたがひて行