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翻刻
僧正の筆をも恥ざりけり此事を僧正ねたましく
や思はれけんいかにもして失(しつ)を見出さんと思ひ給所に
或時件の僧人のいさかひして腰刀にて突(つき)合たる
を書く自愛(じあい)してゐたりけるを僧正見給に其つ
きたる刀せなかへこぶしながら出たりけりよき失(しつ)と
思ての給ひけるはわ僧が絵書/永(なか)くとゞむべしいか成
物か人を突(つく)に拳(こぶし)ながら背へ出る事あるべきつか口
迄つきたるなどをこそいかめしき事にはいふをこ
れはあるべくもなき事也かく程のこゝろばせにては
絵書へからずといはれければ此僧かいかしこまりて
【上欄書入れ】13
【柱】古今巻十一 〇十一