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其事に候これは絵の故実(こじつ)に候也といふを僧正いはせ
もはてずわ法師が絵の故実(こじつ)かたはらいたしといは
れけるを少も事とせずさも候はずふるき上手共
のかきて候おそくつの絵などを御覧も候へその物の
寸法は分に過て大に書て候事いかでか実(じつ)にはさは候
べきありのまゝの寸法にかきて候はゝ見所なきもの
に候ゆへに絵そらごとゝは申事にて候実【書陵部本「君」】のあそはさ
れて候物の中にもかゝる事はおほくこそ候らめ
とへりをかずいひければ僧正ことはりにおれて
いふ事なかりけり