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翻刻
物也おもふさまにせんと思て又をし出したるにかきおほせ
て三貫に成てげり其後は或は一貫二貫よき程〳〵に
をし出すにおほやうはかきおほせて卅よ貫に成にけり
此上は今は手あらに振まはじと思ひてよき程にして
しばしやすみ候はんとて卅余貫の銭取てしりぞき
にけり傍輩(はうばい)共女/牛(うし)に腹つかれたる心地してあり
けれど今かくかひ付て後をこそなど思ひゐたり
去程に此ぬし其夜やがて仁和寺の妻が本へ此銭
をもたせて行にけり次(つきの)旦(あした)家にて妻にいひあはせて
ゆゝしくことして長櫃のあたらしき両三合たづねて
【上欄書入れ】7
【柱】古今巻十二 〇五