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翻刻
【柱】古今巻十二 〇三十一
たりけるに姉(あね)なる尼のもとに小尼君とてあり
けるがはしりまいりて見ければ小袖をひとつとり
をとしたりけるをとりてこれをぬす人とりお
として侍けりたてまつるとてもちてきたりけ
れば尼うへのいはれけるはこれもとりて後はわが物
とこそおもひつらめぬしの心ゆるさざらんものをばいかゞ
きける盗人はいまだとをくはよもゆかじとり〴〵
もちておはしましてとらさせ給へと有ければ門の
かたへはしり出てやゝとよびかへしてこれをおとさ
れにけりたしかにたてまつらんといひけれは盗