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翻刻
とりてたちまちに十善の王位をすてゝ一/乗(しやう)菩提(ぼだい)の
道に入らせ給にけりすでに内裏を出させ給ひける
夜寛和二年六月廿三日なりける有明の月くまな
かりければいかにぞや御心地のおぼへ給てたちやすら
はせ給けるにおりしも村雲の月にかゝりければ
我願すでに満(まん)すとてぞ貞観(でうぐはん)殿の高妻戸(たかつまと)よりお
どりをりさせ給けるそれよりぞかの妻戸はうち付
られにけるとぞ粟田(あはた)殿は御修行あらば同じさま
にていかならん所迄もと契(ちぎり)申されて其夜も御
供せさせ給たりけれ共さもなかりけりあまさへ
【上欄書入れ】21
【柱】古今巻十三 〇十九終