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けしきもなくやがて敵(かたき)にしがみつきて刀をうばひ
取てさしも大力の大男を押(をし)ふせてうへに乗て刀を
さしあてゝ既(すで)にころしてんとしけるがいかゞ思けん
先わが腹(はら)をかき出してきずを見て云様汝これほど
に成たれば害(がい)せん事/滞(とゝこほり)有べからず但我きず痛手(いたて)
にて必死すべき身也/功徳(くどく)に汝が命たすけん最後(さいご)
に罪(つみ)つくりてよしなしと云て事なくておはりぬさて
法印の前に行てかゝる事こそ候つれとて事の次第
始めより申てやがてたふれ臥(ふし)て死にけりゆゝしかり
けるかうの者也しぞかし敵(かたき)の男/日来(ひころ)大/力(りき)者とて
【上欄書入れ】25
【柱】古今巻十五 〇二十二